留学生の学びの状況[海外から日本へ]

主にアジア圏からの留学生が多く、大学院生の受入れにも力を入れています。留学生の出身国の中には栄養学を学ぶ高等教育機関がない国も存在しています。留学生を通じて、本学の実践栄養学は世界各地に広がっています。

◆留学生の在籍状況

在籍留学生数

Number of foreign students enrolled by year

年度 2021 2022 2023
人数※ 10名 10名 10名

※学部・大学院在籍数の合計(研究生を含む)

学部留学生の出身国

Country of origin of international students
(Undergraduate school)

大学院留学生の出身国

Country of origin of international students
(graduate school)

◆大学院留学生の主な研究テーマ

Research themes of the international students

研究室名(Laboratory Name) 研究テーマ(Research Theme)
医療栄養学研究室
Medicine Nutrition
2型糖尿病における低GI食による血糖コントロールへの影響
The Influence of Low Glycemic Index Diet on Glycemic Control in Type 2 Diabetes Mellitus
発育健康学研究室
Human Growth and Health Sciences
子どもの運動・スポーツにおける継続要因の検討 -日韓の子どもと保護者および大学生の調査から-
Factors Facilitating the Continued Exercise of Children ‐ Questionnaire Survey of Children, Their Parents, and University Students in Japan and South Korea‐
食品化学研究室
Food Sciences
トマト種子の成分組成ならびにそのタンパク質分解物のアンジオテンシンⅠ変換酵素阻害活性
Studies on Nutrient Compositions of Tomato Seeds And Angiotensin Converting Enzyme Inhibitory Activity of The Proteolytic Digests
健康情報科学研究室
Health Information Science
視覚媒体を用いた韓国版栄養評価プログラム(334ダイアリー)の開発とその活用上の課題
Development of a Korean Version of a Computer-aided Photographic Nutritional Evaluation Program (334 Diary) and Problems with its Practical Use
食生態学研究室
Nutrition Ecology
タイ都市部の子供のための自己申告による食事の評価指標の開発
Development of a Self-Reported
Dietary Assessment Score for Urban Thai Children
食生態学研究室
Nutrition Ecology
地域在住独居高齢者における体重当りたんぱく質摂取量群別の食物摂取の特徴-主菜(たんぱく質源)に着目した検討-
Characteristics of Dietary Intake Differing in Protein Intake per Kilogram of Body Weight among the Community-dwelling Elderly Living Alone -Focused on Meat and Fish Dishes (Shusai)-
食品栄養学研究室
Food and Nutrition
カルノシン合成酵素のKOマウスを用いたイミダゾールジペプチドの生理作用の解明 -骨格筋タンパク質代謝に及ぼす影響-
Elucidationof Physiological Functions of Imidazole Dipeptide in Carnosine Synthase Gene-deficient KO Mice
-Effects on Proteins Metabolism in Skeletal Muscle-
給食・栄養管理研究室
Administrative Dietetics
母親の学歴と児童の食生活及び栄養状態との関係 ~低収入世帯における検討~
The Relationship Between Maternal Education and Dietary Habits of Schoolchildren and their Nutritional Status ~A Study of Low-income Families~
食生態学研究室
Nutrition Ecology
日本のインドネシア人学校の中高生を対象とした食品表示に関するデジタル教材を用いた栄養教育介入の評価
Evaluation of Nutrition Education Intervention Using Digital Education Materials on Food Labeling for Indonesian Junior and Senior High School Students in Japan
医療栄養学研究室
Medicine Nutrition
2型糖尿病高齢者における認知症予防のための多因子介入が食事摂取に及ぼす影響
The effect of Multi-Domain Intervention for Prevention of Dementia in Elderly with Type 2 Diabetes Mellitus on Dietary Intake
疫学・生物統計学研究室
Epidemiology and Biostatistics
50 歳以上のマレーシア人における心血管疾患リスクの性別・民族差 - NHMS 2019年調査結果
Ethnic and Gender Difference in Cardiovascular Disease Risk Among Malaysian Older Adults ≥ 50 years old – Results from the population-based NHMS 2019 survey
食品栄養学研究室
Food and Nutrition
骨格筋内在性イミダゾールジペプチドの生理作用に関する研究
Studies on Physiological Function of Endogenous Imidazole Dipeptides in Skeletal Muscle

大学院で学ぶ留学生たちの姿

Akrim said

アクリム サイド

出身国:インドネシア

修士課程栄養学専攻 2022年3月修了

指導教員:武見ゆかり教授(食生態学研究室)

〈研究テーマ〉日本のインドネシア人学校の中高生を対象とした食品表示に関するデジタル教材を用いた栄養教育介入の評価

栄養教育をテーマにしたデジタル教材を母国に普及したい

インドネシアでは栄養学を中心に学び、地域や人々の問題に対して施策立案できる地域栄養学について興味をもっていました。留学先を決める際には、日本だけではなく他国の地域栄養学を研究されている武見先生を紹介していただき、奨学金制度を利用して留学を決めました。日本では栄養学に関する教材が多様にあり、オンラインでもマンガなどを題材に思春期の子どものわかりやすい教材が揃っていると実感。私は、栄養教育に関するデジタル教材を自国の地域社会に普及させたいと考えています。将来は、栄養教育をテーマにアニメーションを用いた動画制作をしたいです。この春、修士課程を修了し、東京インドネシア共和国学校で保健体育の教師として働くことになっています。小学校から高校生までの児童・生徒に教えるのが今から楽しみです。研究究室のメンバーは、いつも声をかけてくれ、研究のレポートやプレゼンテーションのアドバイスもしてくれるので、充実した学生生活を送ることができました。

BUI THU HIEN

ブイ トゥ ヒエン

出身国:ベトナム

修士課程栄養学専攻 2022年3月修了

指導教員:本田佳子教授(医療栄養学研究室)

〈研究テーマ〉2型糖尿病高齢者における認知症予防のための多因子介入が食事摂取に及ぼす影響

母国が抱える健康問題の解決に貢献する研究を追求したい

いつか日本で高等教育を受けたいと考えている時、味の素奨学金制度のことを知り、来日を決意しました。ベトナムで栄養学を専攻していたので、日本の大学院では医療栄養学をさらに専門的に学びたいと思っていました。研究室では、「日本の糖尿病患者に対する栄養教育」テーマに研究に取り組み、病院で治療を受けている患者様のデータを解析して論文にまとめています。ベトナムでは、栄養士不足が問題で、病院での適切な栄養指導ができていないため、日本で身に付けた知識や技術を自国のために活かしていきたいと考えています。この春、修士課程を修了し、順天堂大学院博士後期課程に進学します。順天堂大学では遺伝及び食事摂取が高齢者の糖尿病に及ぼす影響について研究する予定です。女子栄養大学の皆さんは、とても親切に接してくださり、勉強や私生活に対してたくさんのサポートをしてくれます。おかげで異国での生活に不安もありましたが、すぐに環境に順応することができました。

Teh Wan Lin

テ ワン リン

出身国:マレーシア

修士課程保健学専攻 2023年3月卒業

指導教員:緒方裕光教授(疫学・生物統計学研究室)

〈研究テーマ〉循環器疾患のリスク要因について

健康な食事や栄養の重要性を地域の人に広めていくようなキャリアを形成していきたい

マレーシアにいる時にいつも「どこか海外で英語の通じない場所で大学院に行きたい」という想いを秘めていました。元々、日本語と日本文化に関心があり、学部生時代に一度日本を訪れた経験もあり、日本への留学の想いが高まりました。将来は高齢者のいる地域で食事や栄養の知識を駆使し、彼らの健康を増進させるようなことに貢献していきたいという考えから、循環器患者をテーマにした研究に取り組んでいます。女子栄養大学の皆さんは日本に来る前から私を温かく迎えてくれるという印象があり、それは今でも変わりません。今現在ここで学んでいることに後悔はありません。

ERWINA SAFITRI

エルウィナ サフィトリ

出身国:インドネシア

修修士課程栄養学専攻2年

指導教員:西塔 正孝准教授(食品生産科学研究室)

〈研究テーマ〉マグロ皮ゆらいのコラーゲンおよびその加水分解物の特性とDPP-IV に対する阻害作用

母国が抱える健康問題の解決に貢献する研究を追求したい

日本は私が高校生の時から憧れている国で2016年に初めて交換留学で日本を訪れることができました。山形に10か月間滞在しましたが、そこで初めての雪、満開の桜を目にし、「いつか必ずこの国に戻ってきたい」と決心しました。学士での学びとまた卒業後、食品会社に勤めていたので、大学院に進むのであれば食品開発と食品機能学に関して学びたいという想いから、女子栄養大学に入学し、今は食品生産科学研究室で人の健康に影響をもたらす魚や他の食品の商品開発に関する研究をしています。卒業後はもし機会があるのであれば日本の企業でも働いてみたいと思っています。

Muhammad Umair

ムハンマド ウマイル

出身国:マレーシア

修士課程栄養学専攻1年

指導教員: 上西 一弘教授(栄養生理学研究室)

〈研究テーマ/予定〉マサーモン、ダチョウ肉、キュウイフルーツの栄養素に関する研究

母国や他の国の栄養界をリードできる人材になりたい

自分自身が日本に住むということをこれまでの人生では実は一度も想像したことすらありませんでした。最初は大学院への留学を考えた時、英語文化圏の国を想定していたのですが、日本は世界の国々から尊敬されている国だという認識はあったため、留学への夢が具体化していく中で日本が他の国から尊敬されている理由を自分の目で確かめたいと思うようになりました。
学士で食品学を学んでいたことがあり、女子栄養大学は栄養専門の大学ということで入学を決めました。大学院ではサーモン、ダチョウ肉、キュウイフルーツに関する研究をしています。将来は可能であれば奨学金を取り、博士課程に進みたいと思っています。また、母国や日本、その他の国で、業界をリードする人物になるために、自分の知識をさらに高め、研ぎ澄ますために、自分の専門会社を設立したりし、社会に貢献していきたいです。

Yaorm Pemika

ヤオム ペミカ

出身国:タイ

修士課程栄養学専攻1年

指導教員: 柴田 圭子教授(調理科学研究室)

〈研究テーマ/予定〉ひよこ豆の粉と米粉を使ったグルテンフリーパンの開発に関する研究

自分が情熱を持つことができる仕事を見つけたい

高校時代から日本に留学したいという想いはありました。なぜなら、日本を訪問した経験があり食べ物、都市、言葉など日本に関するものが全て好きだったからです。また、私の研究分野が食品科学であること、そして日本は多くの食に関する研究を実施し、食品パッケージのデザインでさえも、より簡単に使うためにはどのようにデザインすれば良いかということを考えるくらい食品生産に関して革新的な国であるというイメージを私が持っていたこともその理由になりました。
将来的に自分の関心分野で研究を続けるために、食品研究・開発分野で働きたいと思っています。修士課程を卒業後は、タイもしくは日本で仕事を探したいと考えています。自分が情熱を持つことができ、自分に最適なベストな仕事を見つけることができれば嬉しいです。

Casbana Almi

チャスバナ アルミ

出身国:インドネシア

修士課程栄養学専攻1年

指導教員: 西村 敏英教授(食品栄養学研究室)

〈研究テーマ/予定〉発酵過程におけるエビペーストに起因するコクに関する研究

食品産業で新しいキャリアを築いていきたい

修士の学位を取ろうと決めた時、食品科学、特に味を構成する成分についてもっと学びたいと思いようになりました。その後、私は「コク」という言葉に出会い、そしてそれについてもっと知り、研究をしたいと思うようになりました。女子栄養大学は食と栄養の専門大学であるため、食と栄養をより深く総合的に理解することができるだろうと思い、女子栄養大学への留学を決めました。将来は食品産業で新しいキャリアを築いていきたいと思っています。自分が学んだことを実践し、人のために役立てることができれば、やりがいを感じられると思います。日本でもし働ける機会があるのであれば、日本の企業で働いてみたいです。

留学生の主な進路

◆学部・大学院留学生の卒業後の進路状況

Career after graduation
(undergraduate and graduate international students)

【主な就職先】
給食産業系企業、研究者、
食関連企業研究所、外食産業、
自国政府の中央省庁等

Detail of the Career after the graduation

Food service industry, researcher/Lecturer, research institute of Japanese firms, restaurant industry, Central government staff of respective home countries

◆レジデントアシスタントへのお誘い

本本学に来る留学生の多くは日本語を上手に話すことができません。留学生のお買い物をサポートしたり、学内を案内したりするレジデントアシスタントになって、留学生の日常の暮らしを英語でお手伝いしてみませんか。「留学生が母国との違いでびっくりすることは?」「お気に入りの食べ物は?」「日本の大学生活で戸惑うことは?」など、留学生の目を通して見える新しい日本の姿を発見することもできます。

英語で留学生と会話してみたい方、外国人と友達になりたい方は、メールでお知らせください。メール送付先:Knuintlo@eiyo.ac.jp(件名にレジデントアシスタントと記入)