■マヒドン大学との交流セッションの様子。本学からは学生18名が参加。

 

国際交流センターでは11月15日(金)にタイの本学の提携校であるマヒドン大学の公衆衛生学部とのオンライン交流セッションを開催しました。この授業は本学栄養学部の共通特論科目の一つである「栄養学に関する英語による講義」の一環として開講されましたが、海外の大学とオンラインで繋いだ特別セッションということから、通常の授業の枠を超え、授業の履修登録をしていない大学院生、留学生、研究生などからも広く参加がありました。

セッションのテーマは「The role of traditional food wisdom in modern sustainable eating」(現代の持続可能な食生活における伝統的な食の知恵の役割)でした。セッションは栄養科学研究所の香川雅春准教授が企画し、マヒドン大学公衆衛生学部栄養学科長のAssoc. Prof. Dr. Patcharanee Pavadhgulと、本学の博士後期課程卒業生(食生態学研究室)であるDr. Wannachanok Boonchooと共にコーディネーターを務め実施されました。

■交流セッションを企画した香川雅春准教授

セッションでは最初に香川准教授が和食の地域制や祝い事との関連性、人口の変化や高齢化、食の欧米化に伴う栄養摂取状況の変化に加え、改善されない食料自給率や依然多い状態のフードロスなど、日本が抱える食の課題についての説明を行いました。次にDr. Boonchooタイの食生活の過去と現在の変化(炭水化物の摂取の減少、デリバリーの増加、油の使用の増加、加工食品の使用の増加)の説明を行い、続いてマヒドン大学の大学院生が日本米とタイ米の違い、最近注目されている昆虫食、タイに昔からある漁礁やバナナを利用した料理、伝統菓子などについてのプレゼンテーションを分担して発表してくれました。

セッションの終盤の質疑応答では、本学側からは7名以上の参加者から次々にコメントや質問がなされました。本学大学院生からは、栄養価も高く体にも良い商品として本学キャンパス内の自動販売機で売っている豆乳飲料についての紹介や、また日本の伝統的な食として大根の漬物の作り方の説明などを熱心に英語でする姿が見られました。

学部生からも多くの質問やコメントが出ました。学部生の一人が、「日本の食品ロスをなくす文化」として、

・三角食べ(ご飯、主食、汁物を順番に均等に食す食べ方で、日本の学校給食でも推進)

・一粒の米の中にも神様がいるという考え方

・「いただきます」「ごちそうさま」という言葉の意味

・「もったいない」という言葉とその精神

について紹介してくれました。「もったいない」という日本語はマヒドン大学側の学生や教員も複数名、聞いたことがあるという人もおり、「和食」だけではなく日本独特の食や物に対する精神・考え方もグローバルに広まりつつあることを実感する機会となりました。

■日本の食品ロスをなくす文化を紹介してくれた学部生。

■マヒドン大学側のコーディネーターを務めた元留学生の指導教員であった武見ゆかり副学長もセッションに参加してくださいました。

 

今回のセッションではマヒドン側は大学院生10名、教員4名が参加し、本学側も学生18名、教員2名と大変多くの参加がありました。

オンラインによる海外の大学との交流セッションは新型コロナウィルスの蔓延をきっかけにスタートしましたが、新型コロナウィルス収束後も積極的にICTを活用したオンラインによる海外の学生との交流を推進しています。

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