日本栄養大学を飛び出し、世界でプロフェッショナルとして活躍する卒業生をレポートするこのシリーズ。本日はベトナムの首都、ハノイの日本人学校で養護教諭として働いている鯨井 智亜未さん(保健栄養学科・保健養護専攻卒業)をご紹介します。日本栄養大学で学んだ知識や技術を活かし、養護教諭として大活躍しています。

ハノイ日本人学校のアオザイ(民族衣装を着た)同僚たちと。真ん中の黒いワンピースの女性が鯨井さん。

 

Q. 現在のお仕事(業務内容)について教えてください。

私は現在、ベトナム・ハノイにある日本人学校で養護教諭として勤務しています。

業務内容は、児童生徒の健康管理、保健指導、けがや体調不良時の応急対応、健康診断の実施など日本国内で働く養護教諭の業務と大きな違いはありません。

しかし、ハノイは、高温多湿な気候で熱中症のリスクが高く、また大気汚染も深刻な環境問題となっています。ベトナムならではの課題に直面することも多く、日本とは異なる環境で働くことの難しさとやりがいを感じています。子どもたちが安心して学校生活を送れるよう日々業務に向き合っています。

Q. 現在勤務している国や都市について簡単に紹介してください。

私が勤務しているベトナム・ハノイは、ベトナムの首都であり、政治と文化の中心地です。

圧倒されるほどたくさんのバイクが走るハノイの街は、歴史を感じる建築物や街並みが残る一方、急速な都市開発が進み、熱気と活気に溢れています。

また、ベトナムの人々は、おおらかで優しく親切な方が多いと感じています。赴任して間もない頃、現金や身分証、クレジットカードなどが入った財布を落としてしまったことがありましたが、現地の方が拾って連絡をくださり、すべてそのままの状態で届けてくださいました。お礼も受け取らず対応してくださったことがとても印象に残っており、現地の方々の温かさを実感しました。

ベトナム・ハノイは、人も街も熱く、刺激的でありながら、安心して暮らすことのできる魅力的な都市だと思います。

賑やかなハノイ市内の街並み

Q. なぜ現在の職場/海外で働く事を選んだのですか?

私が海外で働くことを選んだのは、海外で生活してみたいという憧れがきっかけでした。英語力に自信があったわけではなく、留学するための時間や費用の面でもハードルを感じていましたが、日本人学校であれば日本語で仕事をしながら海外で生活ができることに魅力を感じました。

もともとは、5年一貫看護師養成高等学校に通っており、そのまま看護師になるものだと考えていました。

しかし、妹の学校生活の悩み相談に頻繁に乗っていたことや、看護実習で精神科病棟に入院する思春期の子どもたちと関わる経験を通して、「明るい未来に向かう子どもたちのためになる仕事がしたい」という思いが強くなりました。また、日常的に子どもたちと関わりながら、その成長を見守ることのできる学校現場で働きたいと考えるようになりました。

さらに、日本人学校に通っていた友人が帰国後に悩みを抱えていた際に相談に乗った経験から、海外で生活する子どもたちを支えたいと考えるようになりました。

日本人学校は、海外で生活する子どもたちが日本と同等の教育を受けることができるよう設置された在外教育施設です。海外という異なる文化や環境で学ぶ子どもたちは、将来を担うグローバル人材として大きな可能性を持つ一方で、国際家庭や特別な支援を必要とする子どもたちへの対応など、在外教育施設ならではの難しさもありますが、大きなやりがいのある環境だと感じています。

Q. 日本栄養大学にいた時はどんな学生でしたか?学生時代の夢や、栄大入学の動機などに触れて記載ください。

私は、5年一貫看護師養成高等学校を卒業後、養護教諭になるために日本栄養大学に3年次編入学をしました。ずっと憧れてきた大学生活を送ることができることが嬉しく、日々その充実を感じながら2年間を過ごしました。

編入生は2年間で大学卒業と免許取得のための単位を修得する必要があるため、授業は非常に忙しい毎日でしたが、1年生から4年生までさまざまな学年の学生と一緒に学ぶことで交友関係も広がり、とても楽しく過ごすことができました。また、アルバイトにも力を入れて、カフェでの接客に加え、看護師免許を活かして放課後等デイサービスや市民プールの救護室での勤務も経験しました。さらに、ボランティアとして外国人に日本語を教える活動にも参加しました。

大学生活を振り返ると、多くの人と関わりながら、学業以外にもさまざまな経験を積むことができました。大学でしかできない貴重な時間を過ごすことができたと感じています。

Q. 海外で働くことと、日本で働くことの違いを教えてください。仕事のやりがい、などにも触れてください。

海外で働くことと日本で働くことの違いについては、新卒で海外勤務をはじめたため、実際に日本で勤務した経験がなく、明確な比較は難しいですが、環境の違いは大きいと感じています。

先述しましたが、ハノイは高温多湿な気候で、大気汚染など環境面の課題もあります。また、医療体制や生活環境も日本とは異なるため、より慎重で柔軟な対応が求められる場面が多いと感じています。日本との違いに驚かされたり、戸惑ったりすることもありますが、その中で最善策を模索し、試行錯誤しながら働く経験は、自分自身の成長につながっていると感じています。また、子どもたちが明るく笑顔で元気に学校生活を送る姿を見ると、大きなやりがいを感じます。

Q. 栄大の後輩へのメッセージをお願いします。

将来について悩むこともあると思いますが、栄大の仲間や先生方は本当に親身で温かく、いつでも味方になってくれると思います。一人で抱え込まず、周りの人にたくさん相談し、たくさん行動して、自分を信じて突き進んでほしいと思っています。

何をするにしても不安はつきものです。考えれば考えるほどわからなくなることもあると思います。

しかし、無駄はありません。選んだ道が正解だと思います。ぜひ、恐れることなく勇気をもって、さまざまなことにチャレンジしてください。

みなさんと共に私自身もこれからも成長していきたいと思っています。一緒に頑張りましょう。心から応援しています。